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「家のお仕事を任せる」ということ / 2026年8月号

8月29日
読了時間: 6分

更新日:8月31日


のぼちー 家のお仕事を任せるということ


▶ 「家のお仕事」を子どもに任せてみませんか?

私事ですが、先日、息子がお誕生日にお料理を作ってくれました。


お料理を作ってくれること自体はよくあるのですが、今回は、相手のためにメニューを考え、冷蔵庫を確認し、お買い物をし、お料理をして、お片付けまで——そんな一連の流れを全て一人で自然に行っていました。

その姿を見ながら、1歳頃から、年齢や成長に合わせて、お料理やお掃除など、少しずつ「家のお仕事」に関わる機会をつくってきたことを思い出しました。


もちろん、最初からスムーズにできるわけではありません。


まずは、テーブル拭きやワイパーでのお掃除、洗濯物を運ぶなど、比較的失敗の少ないお仕事から。


慣れてきたら、食器を運んだり、お料理を盛り付けたり、洗濯物をたたんだり、ある程度完成度が求められるお仕事へ。


そして、晩ご飯のおかずを一品担当したり、換気扇の掃除をしたりといった、一つの独立したお仕事へ。


「盛り付けを○○くんにお願いしてもいい?」

「テーブル拭き大臣になってくれる?」


そんなふうに、少しずつ「家のお仕事」を任せてきました。


▶ 「家のお仕事」は義務にしない

ここで大切にしていたのは、「家のお仕事=子どもの義務」にしないことです。


子どもに家事をしてもらいたいと思うと、つい「毎日やってね」「自分の仕事だから最後までやろう」と、最初から定例の役割を決めたくなります。


でも、まだ経験の少ない子どもにとって、難しすぎたり、量が多すぎたりすると、「楽しい」よりも「やらなければいけない」が先に立ってしまいます。


だからこそ、最初は子どもが無理なく、楽しくできる難易度と量にすることが大切です。


「これなら自分にもできそう!」

そんな感覚を持てることが、次の「やってみたい」につながっていきます。


▶ 「教える」から「一緒にやる」へ

最初から「一人でやってみて」と任せる必要はありません。

まずは親がお手本を見せながら、一緒にやってみる。


ここでのポイントは、長時間教えようとしないこと。


親は子どもへの期待値が高い分、どうしても熱が入ってしまいがちです。

でもここは自分の気持ちをぐっと抑え、子どもの気持ちの動向を観察してみてください。


子どもが興味を持っているうちに、短時間で切り上げる——未就学児さんに何かを教える時のポイントの一つでもありますが、「もっとやりたい」と思えるくらいで終わることが継続の秘訣です。


少しずつやり方が分かってきたら、今度は親子で一緒にスタート!

たとえば洗濯物をたたむなら、「どっちが速く5枚たためるかな?」とゲームにしてみる。

おもちゃの片付けなら、「こっちは○○ちゃん、こっちはパパ」と範囲を分けてみる。


ちょっとした競争にすると、家事に遊びの要素を入れることができます。


「これをやって」ではなく、「一緒にやってみよう」「どっちが速いかな?」から。

そうやって、まずは「できる」「楽しい」という経験を積み重ねていきます。


▶ 一人でできるようになったら「お仕事」として任せてみる

そして、一人でもスムーズにできるようになってきたら、ここで初めて「お仕事」としてお願いしてみます。


「今日はテーブル拭きをお願いしてもいい?」

「今日は洗濯物をたたむ係をやってくれる?」


ポイントは、アシスタントとして手伝ってもらうのではなく、子ども自身で完結できる仕事を切り出して、任せてみること。


一つのお仕事を最後まで自分でやり切ることで、「任されている」という感覚が生まれます。


「自分でできた」

「自分の仕事として任されている」


そんな経験が積み重なると、少しずつ責任感も育っていきます。


そして、最初は時間がかかっていたことも、何度も繰り返しているうちに慣れてきます。


慣れると、動きがスムーズに、

スムーズになると、行動が速くなります。


最初は毎日でなくても構いません。

まずは「今日お願いする」という単発のお仕事から。


無理なくできるようになってきたら、少しずつ定例のお仕事にしていきます。


▶ 「定例」にするなら期間を区切る

定例のお仕事にするときにも、もう一つ大切にしたいことがあります。


それは、「ずっと続ける仕事」にしないこと。


たとえば「今週はテーブル拭き担当」というように、期間を区切ってお仕事設定してみることがおすすめです。


親も子どもも、成長や生活の状況によって、できることは変わっていきます。

最初は楽しくできていた仕事も、いつの間にか負担になっているかもしれません。


だからこそ、親が無理なく確認できる範囲、そして子どもが楽しく続けられる範囲で、まずは短めの期間を設定する。


「気が付いたらやらなくなっていた」という状況にならないために、その時々のご家庭に合った量や内容に調整できるよう、期間を区切ってお仕事を設定してみましょう。


大切なのは、「できた!」という経験を積み重ねていくこと。


「今のこの子なら、どのくらいの期間なら楽しくできそうかな?」


予想より少し短めの期間で設定してみるのも一つの方法です。

「できた!」と気持ちよく終えられる機会が増えれば、自然と「またやってみよう」という気持ちにもつながっていきます。


▶ 「生活する力」は、未来の時間をつくる

家事は、生活する上で必要なお仕事です。

料理や洗濯、片付けなど、生活に必要なことを手際良くできるようになれば、日々の生活にかかる時間を減らすことができるようになります。


こうした力は、子どもが大きくなって一人暮らしをしたり、働くようになったときにも、きっと役立つはずです。

生活に必要なことをスムーズにできるようになれば、その分、仕事に集中したり、学びたいことに挑戦したり、好きなことを楽しんだり、大切な人と過ごしたり――。


「必要なこと」を効率良く行い、「自分が本当にやりたいこと」に時間を使える。


そんな未来のための力も、幼い頃からの小さな「家のお仕事」の積み重ねによって育てていくことができます。



▶ 「できる」を増やして「考える」時間をつくる


そしてこれは、のぼちーで「巧緻性カリキュラム」を大切にしている理由とも、少し似ています。


指先を使う細かな動作を繰り返し、日常の「できる」を増やしていく。

お洋服をたたむ、お弁当を包む、靴を履く――。

こうした基本的な動作がスムーズになることで、次の「聴く・考える・話す」といった、より創造的な活動に時間を使えるようになります。


ベースとなる行動を少しずつ速く、スムーズにする。

そして、その先にある「考えること」に時間を使えるようにする。

――家のお仕事の役割分担も、巧緻性カリキュラムも、目指していることは同じです。


まずは、お子さまが「できそうなこと」を一つ見つけてみてください。

「できる」を一つずつ増やし、「任せてもらえた」を一つずつ積み上げていく。


小さな「任せる」の積み重ねが、子どもたちの自立する力や、「自分でできる!」という自信につながっていきます。



引き続き、一緒にのぼちーを楽しんでいきましょう!


 
 
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